サイボーグ発表にあたって・・・

世界最古の木管楽器であるディジュリドゥと、最新テクノロジーを融合させた言うならば音のサイボーグで現代社会、未来都市、新人類を描きました。制作に用いた手法はテクノ、ダブ。ビートから上物までディジュリドゥで吹き込み,一音一音丁寧に製作。まずはキック、スネア、ハット等の単音作り。ブッとかチッとか言いながら、コンプやプラグインで音を彩った後、サウンドシステムで鳴らし、再び録り込み太く強化。トラックのスケッチを吹き込み終わった後、再びそれを聴きながら何度も何度も吹き重ねを繰り返し、音の細胞を細かく分解、解析、再構築。繰り返していくうちにシンセ音原の如く使用したりしました。その結果、それぞれの単音がディジュリドゥのDNAを持つ唯一無比なダンスミュージックへと変化を遂げました。

ディジュリドゥは、オーストラリアの先住民族アボリジニが太古から主に儀式で使用している楽器で、シロアリに食われて筒状になったユーカリの木をカットして、ディジュリドゥとして再生(リサイクル)させたもです。また、トランペットの様に指で押さえる所がある訳でもなく、音階を出す訳でもなく、出てくるのは吹き手のソウルのみ。言わば魂の乗り物なのです。

デジタルテクノロジーは、紛れもなく人類が生み出した最高のサイエンス(科学、文明)だと思っています。
ですが、我々人類と良好な関係性なくして、この先、進歩を生み出す事は難しくなってくるのではないかと僕は危惧しております。
その理由として・・・地球自体が文明発展の代償として悲鳴を上げ始めている事。それらは温暖化として自然災害という形で僕達
の肉眼でもはっきりと感じられる事ができつつあります。

一体どうすれば良いのだろうか・・・?自給自足をして、まるで戦前の生活様式へ戻れと言う人達もいます。想像できない事も無いですが、その時代を生きていた訳でもなく、物心がついた頃から生活の中にデジタル環境があった僕達世代は、ある程度の便利さを生み出すテクノロジーに夢、憧れを持っています。

すると残された道は一つ。

共存。

うまく共存していかなければ、この星もしくは人類が消え失せてしまうかもしれません。そのような思いを太古からこの星に存在していた世界最古の超アナログ的木管楽器であるディジュリドゥと現代テクノロジーを融合させた美しい未来予想図を太古のある部族からのメッセージとして伝えていきたいと思います。地球環境の改善を願いつつ・・・

〜未来の都市設計図や人類の姿を遥か昔に予言、警告していた部族がいた。〜

これが制作時のフィクションイメージです。

CYBORG for 共存。  GOMA 2008


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